髙橋歯科医院

乳歯1、2本の虫歯は役に立つ

乳歯の寿命は、長い歯でも7～8年です。
人生2回歯が生え変るという意味であるならば、少なくとも30～40年位もたなければならない事になります。
つまり乳歯は成長過程におけるトレーニング用の歯といえそうです。

私達人間は20年かけて多種多様なスキルからなる複雑な大人の心を形成する生きものです。
それは体験や経験する事で感じた事が心のスキルを形成していく訳です。

虫歯の痛みは時として死ぬほど辛いものです。しかし死に至る事はありません。又、後遺症を残すこともありません。この辛さが2度と虫歯にしたくないという思いが、永久歯をよく磨く子供にもなり、又、人の痛みがわかる優しい心が育つでしょう。
又、こうした時、両親がバタバタとあちら、こちらの歯医者に電話をかけ一生懸命に取り組んでいる様が強烈な印象として子供の心に刻みこまれ、心の絆にも役立つといえそうです。

確かに1本も虫歯になることなく永久歯に生え変わればそれにこした事はないのでしょう。
しかし、それはただ気持ちがよいというだけの事で、心の発育には何も役に立ったとはいえません。
今の健康づくりはどこか自分本位でFor Youの心は発育しにくいように思います。
すべての学問は人が人らしく育つためにはいきすぎたともいえそうです。　
過ぎたるは及ばざるが如し。
子供はのびのびとおおらかに育ってほしいものです。

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院長　髙橋　祥子